【ネタバレ注意】『ジャングル大帝』の中の人間(3)プラス教授とマイナス博士

地球の地殻変動の謎を解く月光石を求めて幻の山・ムーン山に挑む科学者二人。

ハム・エッグの案内でドンガ川上流を目指した探検隊だが、ハム・エッグの裏切りや原住民部族の襲撃で、一旦探索行を中止せざるを得なくなる。数年後、月光石に強いエネルギーを発する力があることが発見されると(発見者はケンイチの同級生、アルベルト・コッホ)、世界中に月光石ブームが起こり、列強国は争って月光石探検隊をアフリカへ送ることとなった。A国人のマイナス博士、B国人のプラス教授は、それぞれの国の探検隊に分かれ、ムーン山を目指すことになる。

人跡未踏の秘境で危険な探索行を続けるうち、鉢合わせした両国探検隊。B国探検隊は怪獣との戦いで弾薬を使いつくし進退窮まる。ヒゲオヤジのとりなしもあって(※ヒゲオヤジさん、ケンイチとメリーに再会し共に日本へ還る途中アダムの奸計に巻き込まれて、まーたアフリカへ舞い戻っていた)マイナス博士はB国隊員たちをA国隊に加えようとするが、それを肯んじないB国隊長ロンメル将軍以下隊員たちの対立が続く。このような中、プラス教授とマイナス博士だけが、二人してひたむきに地質調査を続けていた。

オオトカゲの群れに襲われ、ロンメル将軍が毒蛇に噛まれて斃れる。危機一髪のところにレオの旧知のマンモス象「オフクロさん」が現れて、九死に一生を得た両国隊は、A国B国協同隊としてついにムーン山山頂を極める。

標高5000m以上、ヒマラヤ奥地のような過酷な雪嵐の中で、下山途中にも隊員が一人また一人と斃れていく。B国隊に参加していたピエール(子供時代のケンイチのライバル。狡いやつ)は狂気に陥り危険な嵐の中に彷徨い出ていく。プラス教授は重い凍傷を負い、休むよう説得するマイナス博士と言い争った末、夜の間に一人テントから姿を消す。マイナス博士も寒さと飢えのために斃れ、ついにレオとヒゲオヤジだけが、探索行の貴重な記録とともに雪山に残される。